あのときのキミの色はブルーだった、けどキミはどうにも薄い色の自分に満足していなかったみたい
 早くもっと濃い色になりたがっていた、
 僕は少しだけ僕自身の色をキミに分けてあげる事ができるけれど
 キミの色と僕の色が混ざって、キミが何色になっても僕は知らないから
 だけど望むように僕の色を注いであげよう

 あのときキミの色はブルーだった、けどキミはどうにも薄い色の自分に満足していなかったみたい
 早くもっと濃い色になりたがっていた、
 キミの色と僕の色が混ざって、 キミは少し濃くなった
 キミをもっと僕の色に染めてしまおう。

 


テレビジョン
 テレビの中では同じような人が入れ替わり立ち代り
 当たり障りのない事喋って常識人ぶって
 おいおいそんなんじゃないんだろう?
 なんでみんなイイ人ぶるんだよ?
 愛の歌を歌ったり、偽善者、偽悪者、みんな薄っぺら
 テレビの中なんて。。と思って気がついた
 なんだ、テレビの中も外もみんな一緒だ。

 


バスタブ
 バスタブにぐたりと服のまま水に浸かっているキミ
 シャワーも出したままで。水はバスタブからあふれ出て、川のように排水溝へ
 キミも排水溝へと流れ出たいのだろうか、
 僕は何もできずに笑顔で、
 お湯加減はどう?
 キミは虚ろに僕を見て
 タイルに唾を吐き捨てる
 僕は笑顔でキミをバスタブに沈めるしかできない
 キミは目を瞑り、抵抗しないまま沈んで行く、深く深く
 キミは僕に唾を吐き続けるたびに僕はキミをバスタブに沈め続けるであろう

 


高速道路
 夜の高速道路、オレンジの街頭、トラックの群れ
 僕は助手席で眠ったキミを乗せて真っ直ぐ走り続ける、
 背後に迫るトラック、キミを起こさないように僕はゆっくりとそして深くアクセルを踏む
 キミは眠ったまま。
 僕はギアを1つ落として車線変更、追い越し車線に入り、前のトラックを抜かしに入る
 120キロのタイムスリップ
 キミは眠ったまま
 僕はオレンジの世界で、キミは夢の世界で、出会ったころのあの頃みたいに

 

 



 キミの舌が僕の×××から×××へと這って行く、僕は背を仰け反らしながら耐える
 キミの舌が僕の×××へと辿りつくころにはきっと濡れているだろう
 キミの舌が僕の罰罰罰へ辿りついたときには僕はキミから逃げられない
 キミの舌から逃げ切れない、僕の舌はもう爛れ落ちてしまったよう

 


左手
 あの子の左手の薬指に指輪を見つけた、
 僕はその日気づかないフリをした
 次の日もあの子の薬指には指輪
 僕は気づかないフリをした
 次の日に指輪を見てしまったときに、僕は聞いた
 彼氏いるんでしょ?
 彼女は言った
 いないわよ、これは女友達と買ったのよ
 僕は笑いながらうなずいた
 彼女に恋人がいると噂を聞いた、僕は気づかないフリをした
 次の日も彼女には彼氏がいるんだよって聞かされた、聞きたくないのに
 次の日に僕は彼女に聞いた 彼氏いるんでしょ?
 彼女は えぇ。あぁうん って答えた
 えぇ。あぁうん
 なんだそりゃ
 僕は僕の気持ちに気づかないフリをした

 



レースのカーテン
 キミはレースのカーテンのようにヒラヒラと、風に遊ばれるようにヒラヒラと
 キミはロングスカートのようにヒラヒラと、夏の海辺でヒラヒラと
 キミは蝶のようにヒラヒラと。花の周りをヒラヒラと
 誰もキミを束縛できない、キミは風にヒラヒラと

 

 



 キミは僕は責める、僕は爪を噛む
 僕の爪はもうボロボロ、僕はもう泣いていますよ?頭もさげているでしょ?
 こんな僕を見て楽しいですか? 爪をもっとボロボロにしたいですか? 剥ぎますか?
 欲しいんですか? 食べるんですか? 
 なんで許してくれないんですか?こんなに爪もボロボロなのに
 




ミルク
 彼女にミルクをあげる、彼女がウチの前に捨てられていたのが三日前、
 彼女は最初はミルクも飲めないほど衰弱していたが、今は元気にミルクを飲んでいる、
 じゃあ会社行って来るから、留守番頼むわ
 彼女は黙ってうなずく、彼女の前髪がうなずいた拍子に目にかかって、彼女はうっとおしそうに
 手でかきあげる、
 あぁ今度髪きらなきゃなぁ、
 彼女は黙ってうなずく、また前髪が目にかかる、
 僕は少し微笑むと、振り返り玄関のドアを開け会社に向かった